沈黙の意味とは?
相手の返事を待っていますか?
相手の返答を待てずに、ついつい自分から言葉を発してはいないでしょうか?
相手が、こちらが質問したことに対して返答につまってしまったり、
急に沈黙になることがあります。
そのとき、人は不安になってしまって言葉を繋ごうとします。
思い込みの激しい人は、勝手に相手の答えを決め付けてしまいます。
「つまり、こういうことですよね?」
「○○さんは、こういうことを思っていらっしゃるんじゃないですか?」
相手に意識が向いていない人は、
「話題を変えましょう。そんなことより…」
このように、無理やり話題を変えてしまうかもしれません。
相手のことを深く知るためには、
とにかくグッとこらえて待ちましょう。
コミュニケーション力が如実に現れる営業の世界では、
お客様の本音を聞きださないと成約に結びつきません。
たとえ勢いで成約に結びついたとしても、
お客様が納得して購入していないため、
後にキャンセルになったりします。
私が以前、自己啓発会社で働いていたときには、
無口で話し下手というお客様はたくさんいらっしゃいました。
自己啓発に興味を持つ人たちというのは、
会社経営者や大成功を目指す人ばかりではないのです。
「現状の自分ではダメだ」
「なんとか自分を変えたい」
と切実に思っている人も多いのです。
特に一番変えたいのは「人間関係」
という人が圧倒的に多かったのです。
話下手で臆病な自分を変えて、
「彼女を作りたい」
「結婚したい」
「職場の仲間たちとうまくやっていきたい…」
そうすると、こちらが質問したことに対して、
すぐになんらかの答えを返してくれる、
そんな人たちばかりではありません。
「どんなところに興味を持っていただいたのですか?」
「現状をどう変えていきたいですか?」
「今、どう感じてらっしゃるでしょう?」
「う~ん・・・・・」
質問をしたことに対して、
沈黙に入ってしまう人も多くいらっしゃいました。
沈黙には様々な意味があります。
答えを探すのに手間取っている場合もあります。
真剣に悩みや迷いを抱えている人ほど、
「本当に本音を言ってしまって大丈夫だろうか」
と警戒しています。
相手に沈黙をされると営業マンは、
「質問が難しかったのかな?」
「相手を怒らせてしまったのではないか」
「電話を切られてしまうのではないか」
などと不安になります。
そこで、相手が答えてくれるのを待てず、
言葉を繋いでしまいます。
優秀な営業マンは、
何を言わんとしてるかを知るために、
相手の返事をじっくりと待ちます。
こんな営業マンがいました。
電話越しで相手が言葉に詰まって沈黙をしてしまったとき、
「○○さん、大丈夫ですよ。待ってますから」
と言って、お客様が話しだすのを、
じっと電話越しで待っていたのです。
なんと二十分もの間です。
約二十分後、お客様はゆっくりと自分の考えていることを話し始めました。
その営業マンとそのお客様の関係は、
当然太い信頼関係で結ばれて、
契約につながったのは言うまでもありません。
相手が黙ってしまったときは、
相手の呼吸や動きに合わせてゆったりと待ってみてください。
相手に急いで話さなければというプレッシャーを感じさせず、
じっくり考えをまとめてから話せるので、
相手は本音や真意を言い出しやすくなります。
また、自分の答えをじっと待っててくれている人がいる。
自分の本当の心を聴きたいと思ってくれる人がそこにいる。
そう思えたら人はどう感じるでしょう。
「この人になら大丈夫」と、
もっと話を聞いてほしくなると思います。
心を尊重したコミュニケーションは、
相手の沈黙を大切にすることです。