「数多の営業本を読むより、この一冊を熟読しよう」

私が「人を動かす」を最初に読んだのは、
教材の訪問販売を始めた頃、上司から勧められたのがきっかけです。

ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」と並ぶ営業の教科書として、
それ以来何十回も読み返しています。

いちばん印象に残っているのは
「人を動かすには相手の重要感を満たしてあげることが大事だ」ということです。

人は誰でも自分のことを大切にしてもらいたいと考えていますから
徹底して話を聞くことで、その気持ちを満足させることが大切だと学びました。

そのためにカーネギーは、
「相手に誠実な関心を寄せなさい」と説いています。
「あなたが相手に関心をもたなければ、どうして相手があなたに関心をもつ道理があるだろうか」。

以前読んだ際この箇所にとくに感銘をうけたのか、
わたしの持っている本には二重丸がついています。

これに関してカーネギーは、ハワード・サースティンという奇術師の話を紹介しています。

多くの奇術師は観客を前にすると、
「こんな連中をたぶらかすのは朝飯前だ」と考えるそうですが
サースティンは「観に来てくださるのはありがたい。私はお客様を愛している。最高の演技をしよう」と考えるというのです。

カーネギーは「彼は人間に対して誠実な関心をもっているから奇術師として大成功した」と述べていますが、
これは営業マンについても同じだと思います。
顧客に対して「簡単に騙せそうだ」と思うのか、
「このお客様を喜ばせたい」と思うのか。

話が上手い営業マンよりも、顧客に心からの関心を寄せて
相手のことを本当に考えている営業マンが成功するのだと思います。

またカーネギーは、笑顔の重要性についても説いています。
相手に笑顔をみせることで「私はあなたが好きです」「あなたに会えてうれしい」
というメッセージを伝えているというのですが、
これもなるほどと思いましたね。

営業の現場では、営業トークの訓練はしても、笑顔などのボディランゲージの訓練はほとんどしません。
しかし、「笑顔をみせない人間は商人になれない」とカーネギーが書いているように、
笑顔ほど営業マンに大切なものはありません。

営業マンのなかには、
「本を読む時間があるなら、電話の1本でもがけろ!」と上司から言われている人も居るかもしれませんが
「人を動かす」はすべての営業マンが読むべき本だと思います。

何度も繰り返し読んで、書かれている原理原則をぜひ実践しましょう。
一挙にやろうとせずに「今週は『笑顔週間』にしよう」などと、内容を少しずつ行動に移すのもいいですね。
たくさんの営業本をあれこれ読むより、この一冊に集中したほうが何倍も効果があると思います。

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