目上のお客様とはどう接する?
営業マン時代、
自分よりはるかに年上の人や
立場が違う人、
いわゆる「目上のお客様」との接し方に
苦慮していた時期がありました。
自分はその商品のプロであるわけだから
商品に関しては、お客様より当然
詳しくなくてはいけない。
商品だけではなく、
「舐められてはいけない」という思いから
他の話題に及んだ時にも話についていけるように
していました。
しかし、
年配の方や社会的に上の立場にいる方というのは
まあ物知りです。
無理に話題についていこうとして
「知ったかぶり」で話をしていたら、
意見を求められたり、
質問をされてりして、
しどろもどろになって、
反対に恥をかいてしまったり
信頼関係が崩れたことが
多々ありました。
自分が扱っている商品に関することも、
お客様はよく知っていたりします。
「でも、この〇〇って、
A社のほうが最近新しいの出して、
売り上げ上げてるよね。
君のところよりも安い値段だし」
「でも、お客様、それは~」
こんなふうにお客様の言葉にすぐ反論して
不機嫌にさせてしまい、
人間関係を自分から崩していました。
今思えば、
「さすが〇〇社長!お詳しいですね!」
こんな一言をつけるだけで良かったのに
もったいないことをしたものです。
「営業マンとして優位に立たなくちゃ」
「対等に渡り合わなくちゃ」
という思いがあると、
目上の人相手の営業はとても苦しいものになります。
相手のほうがどう考えたって
人生経験もキャリアも上。
適うわけがないのです。
「いろいろと勉強させてください」
このようなスタンスで、
相手に敬意を払い、接していくことで
目上の人への営業は
かなり楽に、そして
実り多いものになります。
私も、営業を受ける立場になることがありますが、
「いろいろ勉強させてください」
と言ってくれる営業マンには、
嬉しくなって、
ついつい話し過ぎてしまいます。
熱心に自分の話に耳を傾け、
興味深く相槌を打ってくれたりすると、
「で、〇〇さんは今日はどんな要件で来たのですか?」
と、思わずこちらから相手の営業マンに商品のことを
聞いてしまいます。
人間は、ギブされるとテイクしたくなるもの。
ギブをしないうちから、
「話を聞いてください」
「商品の話をさせてください」
と言われても、
人の心は開きません。
特に、目上の方ほど
人生経験の豊富さから、
「人の話をちゃんと聞ける人間かどうか」
というところを
よく見ています。
あなたから、
相手の方の人生に興味を持って
話を聞く姿勢を見せることで、
きっとお客様の心は開きます。
目上のお客様は、
人生の大切な先輩です。
人生のアドバイスを聞くつもりで
楽しんで接していきましょう。